東京カリタス の家はキリスト教精神にもとづき、東京およびその周辺地域の福祉向上をめざして、共に問題に直面している家族への福祉サービスを行って います。
財団法人 東 京カリタスの家
理事長 岡田武夫 (カトリック東京教区大司教)
〒112-0014 東京都文京区関口3-16-15
Tel 03-3943-1726(代表)
Fax 03-3946-9156
・・・法人の沿 革・・・
1969年4月 4 名のボランティアで発足
1974年9月 財 団法人認可
常務 理事:小宇佐敬二神父のメッセージ
昨年、「東京カリタスの家」は創立40年を迎えました。「キリスト教精神」に基づいて、「家族福祉」の実践活動を「ボランティア」の手によって行うということを旗印にして歩き続けてきました。この間、社会全体が様々な面で成長し変動してきました。その変化に翻弄されながらも、懸命に歩き続けた40年だったと思います。
40年前には「ボランティア」という言葉でさえ、なじみの薄いものでした。「家族福祉」も「キリスト教精神」も、理解することが難しい用語です。この理解困難用語が三つも並んでいるのですから、「東京カリタスの家」の自己理解を深めていくことも難しいことだと感じています。
「福」も「祉」も「幸せ」を意味する言葉です。「福祉の実践」は「幸せ作り」と言ってもよいでしょう。「東京カリタスの家」の「幸せ作り」の背後には「キリスト教的幸福論」があり、「ボランティア」の理解にもキリスト教的な視点があります。「カリタス」はラテン語で「神の愛」を言います。「神の愛」の前に、人間の誰もが同等の尊厳性を持っています。この人間の「幸せ」の所在を、私たちは「人と人との関わりの間」に求めます。「愛」と「憐れみ(共感)」と「赦し(相互受容)」の力によって「平和」を「公平」をそして「誠実」な社会を築きあげていくこと、そのために個々の人間に「自立性」「主体性」「責任性」を育んでいくことが求められます。人にとって最も身近な他者である「家族」「友人」「近隣」の関わりの中でこのような「幸せ作り」を実践していくこと、それが「家族福祉活動」と言って良いでしょう。
「家族福祉」について、「東京カリタスの家」はさらに独自の理解を持っています。「東京カリタスの家」は支援を求める「困難のさ中にいる当事者」と「支援を提供したいとするボランティア」が「同じ『神様の子』として、『東京カリタスの家』という同じ家族のメンバーである」と理解しています。そして、「困難のさ中にいる当事者」とその身近にいる方々、特に家族の方々との間に、より豊かな「幸せ」が実現されるよう、「幸せ作りの同伴者」となることを目指しています。「ボランティア」の理解については、「神様の呼びかけに対して、自発的に応答受諾する者」と言えるでしょう。「苦しみの中にいる人にとっての隣人となる」ことは神様が求めておられることです。その呼びかけに自発的に応え、受諾する人を、わたしたちは「東京カリタスの家の『ボランティア』」と呼びます。このボランティアの活動をより豊かに実現して行くために、ボランティア・ビューローとしての「東京カリタスの家」があります。このようなボランティア活動は、必ず、携わる者の霊的な成長の糧となり、「喜びの充満」という豊かな実りに結びつくものと確信しています。
「東京カリタスの家」のスタッフには、ペイド・スタッフ(職員)とボランティア・スタッフがいます。ペイド・スタッフは生活の資源(給与)を「東京カリタスの家」での職務から得るという立場にあり、多くの時間と労力を「東京カリタスの家」に注いで頂いていますが、「呼びかけに対して、自発的に応答受諾する者」であることに違いはありません。スタッフは立場の違いはあれ、支援を求める方に直接携わるだけでなく、ボランティア・ビューローとしての「東京カリタスの家」の運営にも関わることになります。
「ボランティア・ビューロー」は、何らかの支援を求める方々と、ボランティア活動を行いたい人との出会いを設定すると共に、ボランティアの開発と育成、ボランティアの支援を行う機関です。また、「家族福祉活動」の場を創出します。「東京カリタスの家」は、このボランティア・ビューローの運営も、ボランティアの手によるものであることを目指しています。
支援を求める方とのより良い出会いを実現して行くために、まず「困難や苦しみの中にある人」に、「東京カリタスの家」には支援の手が少なからずあることをアピールしていく必要があります。同時に、援助の手を求めている人が数多くおられることをより多くの人に伝え、ボランティアとして活動してくださるよう呼びかけます。
支援を求める方がどのような援助を求めているか、その要望を受けとめ、理解を深め、どのような支援ができるかを図り、援助のあり方と目標を定め、ふさわしい援助者を捜し援助をお願いします。さらに、支援を求めている人と援助を行う人との調整を行い、さまざまな状況に対応できるよう心掛けます。
そして、より良い援助ができるように、ボランティアの力を蓄えていくための養成の場を企画し実行します。必要に応じて、専門家のアドバイスが受けられるよう、図っております。医療や心理、福祉、また法律などの専門家から「スーパーバイザー」として活動を支援していただいています。大きな目的を共有して、共に歩む仲間であることを確認することができるようなボランティア交流の企画も実行しています。現在、「東京カリタスの家」の主な活動は「家族福祉相談室」「みんなの部屋」「子ども相談室」の三つの部署で行っています。
「家族福祉相談室」は、生活の中で遭遇するさまざまな痛みや悲しみ、困難に苦しむ方々の、一つ一つの苦しみを受けとめながら、困難に向き合う人にとっての隣人となり、「添え木」として寄り添い、その人とその人を取り囲む人々とともに、その困難や苦しみを乗り越えて行くことができるよう、「愛の配慮」の実践を心がけています。医療や社会福祉など、社会資源を積極的に活用しながら、その人のより高い自立性を支えます。
木曜日に行われているフリースペースも「東京カリタスの家」らしい活動です。社会の中でさまざまな形の「生き辛さ」を担い、日常の人間関係にもあまり恵まれていない人たちと共に集います。ボランティアと利用者の隔てを出来るだけ取り払い、仲間として集うとき、安らぎの場が生まれます。
「家族福祉相談室」のスタッフのほとんどがボランティアです。活動ボランティアとのチームワーク、さらにスーパーバイザーのアドバイスがこの活動にはかかせません。
「みんなの部屋」は、「精神障がい」をもつ方たちの「共同作業場」としての役割を担っています。主に「創作作業」を行っていますが、その共同作業を通して、社会性を培い、癒しと励ましを与え合うような人と人との関わりと、その関わりの場を作って行こうとしています。障がいに苦しむ人と多くのボランティアやスタッフとの間の親密な関わりをとおして、安心と信頼を育み、障がいと向き合い、それを受け入れながら、より高い自立性と社会性を獲得し、人間性と霊性の成長を目指します。
「子ども相談室」では、「発達障がい」を持つ子どもたち(未就学児から高校生)の発達支援を行う場です。現在40名ほどの子どもたちが通所しています。その一人ひとりの子どもたちの障がいの特性を理解し、より良い支援を提供するための活動を担当するボランティアとスタッフが協力して行っています。「発達障がい」についての理解を深め、広めながら、養育者の相談にも応じることができるよう努めています。また、学校や地域との連携を強め、その人を取り巻く環境が少しでも整えられていくことを目指しています。ボランティアの「無償の厚意」が「東京カリタスの家」を支える柱ですが、活動には多大の経費が必要になります。この経費をまかなう「賛助会」の活動も、「東京カリタスの家」を支えるもう一つの柱です。
「東京カリタスの家賛助会」は、賛助会費によって「東京カリタスの家」を支えるだけでなく、バザーやチャリティーコンサートなどを企画し実行することにより、活動資金を調達しています。バザーなどに出品する手作りの作品を制作するなどのことも行っています。これらも大きなボランティア活動です。
ボランティアひとり一人の働きは小さなものかも知れません。しかし、手を携えあって集まれば大きな力となり、大きな喜びを生み出していきます。そこに「東京カリタスの家」があります。



