家族福祉相談室

法人の沿革】

1969年4月 4名のボランティアで発足

1974年9月 財団法人認可

【常務理事:小宇佐敬二神父のメッセージ】

国の福祉政策が、大きく様変わりしています。「郵政民営化」と同じような手法で「医療保険制度」や「福祉政策」が変革されました。介護保険法や自立支援法は、「福祉民営化」と言って良いでしょう。福祉のための国庫負担を軽くし、利用者に負担をかけることによって、福祉事業を民間による経営ベースに乗せ、収益のともなうものにしようという方向です。

 「福祉」は「『幸せ』をより公平に分かち合おう」とするものだと思います。「幸せとは何か」という問いも大きな課題です。同時に「公正」を実現していくためのシステムも重要です。自分の利益に捕われがちな人間です。公的な力によって支えられなければ、「公正」を実現していくのは難しいでしょう。だからこそ「福祉」は全面的に国による事業とするのが本来の姿だと思います。「寡婦と孤児と寄留の民の世話をするのは、王の義務」なのです。

 「幸せとは何か」この根本的な問をすら発することのないまま、経済性が「幸せ」を規定し、「公益性」が人間の価値を決定付けるかのような発想があるように感じます。「経済的な生産性に乏しい人間は、それだけ価値が低く、従って、公的支援の受給も抑えられる」というような二重の抑圧がかけられているように思わずにはなりません。このような抑圧の下におかれたなら、苦しみの中にある人は、もっと大きな苦しみを担わされることになるでしょう。

 「キリスト教精神」に基づいて「幸せとは何か」を見つめていく時、「神の子としての尊厳を持つひとり一人が、共にあることの喜び」に最も力点が置かれていることが見えてきます。東京カリタスの家の運動は、「共にあることの幸せ」を「公正に分かち合う」ための働きを目指していると言えます。経済的な豊かさや生活の便利さ快適さも大切ですが、それはこの幸せを実現していくために添えられるものなのです。「共にあることの分かち合い」を実現していくのはボランティアの力です。ここに東京カリタスの家の本分があるでしょう。

 みんなの部屋作業室は2005年度から公的支援を受けることになりました。公的支援を受けるのは「利用者の権利」です。このようなひとり一人の権利と利益を守りながら、ひとり一人の「神の子」としての尊厳性を見つめ、「共にあることの喜び」を味わい続けるため、歩んでいきたいと思います。 

               常務理事 小宇佐 敬二